軽量鉄骨(LGS)とは?壁下地と天井下地の種類・サイズを現場監督向けに解説
こんにちは、もぐらです。
建築現場で内装工事を見ていると、
「これは65スタッドです」
「19の野縁です」
「ここは75形で組みます」
といった言葉を職人さんから聞くことがあります。
施工管理を始めたばかりの頃は、
「65って何の数字?」
「スタッドとランナーって何が違うの?」
「19形と25形って何が違うの?」
と、よく分からないこともあると思います。
今回は、建築現場でよく使われる**軽量鉄骨(LGS・軽天)**について、現場監督として覚えておきたい基本を整理します。
1.LGSとは?
LGSとは、
Light Gauge Steel
の略で、薄い鋼板を加工してつくられた軽量鉄骨製の下地材です。
現場では、
- LGS
- 軽量鉄骨
- 軽鉄
- 軽天
などと呼ばれています。
主に建物の内部にある、
壁や天井の下地
をつくるために使用されます。
JIS A 6517では、鋼製下地材を大きく壁下地材と天井下地材に区分しています。
つまり、まずは、
LGS=壁や天井の骨組みをつくる材料
と覚えておけば大丈夫です。
2.LGSには大きく「壁下地」と「天井下地」がある
LGSの下地は、現場では大きく、
壁下地
と
天井下地
に分けて考えると分かりやすいです。
同じLGSでも、壁と天井では使用する部材が違います。
3.壁下地は「スタッド」と「ランナー」が基本
壁のLGSを見ると、縦方向に入っている部材と、床・天井に取り付けられている部材があります。
この2つが、
スタッド
と
ランナー
です。
スタッド
スタッドは、壁の中に縦方向に入れる部材です。
簡単に言えば、
壁の縦の骨組み
です。
一般的なJIS規格では、
- 50形
- 65形
- 75形
- 90形
- 100形
などがあります。
例えば65形なら、JIS品のスタッドはおおむね、
65×45mm
という断面寸法になります。
75形なら、
75×45mm
90形なら、
90×45mm
というように、数字が大きくなるほどスタッドの幅が大きくなります。
現場で、
「65のスタッド」
と言われたら、
「壁のLGSが65形なんだな」
と考えられるようになると、かなり現場が見やすくなります。
4.ランナーとは?
ランナーは、スタッドを受けるための溝型の部材です。
壁の、
床側・天井側
に取り付けます。
そのランナーの中にスタッドを建て込んでいくイメージです。
例えば65形なら、
65形スタッド+65形ランナー
というように、基本的には対応するサイズの部材を組み合わせます。
JIS品では、65形のランナーはWR-65で、断面寸法は67×40mmとなっています。
ここは現場で非常に大事です。
「スタッドだけ見て終わり」ではなく、
スタッドを受けているランナーも確認する
という癖をつけておくと、LGSの仕組みが分かりやすくなります。
5.壁下地の「50形・65形・75形・90形・100形」
JIS A 6517では、壁下地について、
| 種類 | スタッドの代表的な断面 |
|---|---|
| 50形 | 50×45mm |
| 65形 | 65×45mm |
| 75形 | 75×45mm |
| 90形 | 90×45mm |
| 100形 | 100×45mm |
となっています。
ただし、現場では単純に「数字が大きいほど強い」とだけ覚えるのではなく、
壁の高さ、壁の仕様、ボードの種類、必要な性能などによって使用する下地を選ぶ
と考えるのが大切です。
例えばJISの組合せでは、50形はスタッド長さ2.7m以下、65・75形は4m以下、90形は4.5m以下、100形は5m以下という区分があります。
6.スタッド以外にも部材がある
壁下地は、スタッドとランナーだけで完成するわけではありません。
施工条件に応じて、
- 振れ止め
- スペーサー
- 開口部補強材
- 補強材
- 各種金物
などを使用します。
例えばJISの壁下地では、スタッド・ランナー・振れ止め・スペーサーを組み合わせて壁下地を構成します。
特に現場監督として注意したいのが、
ドアなどの開口部
です。
普通の壁部分だけを見て、
「スタッドが立っているからOK」
ではありません。
建具が入る場所には、図面や施工要領に応じた開口補強が必要になります。
7.天井下地は「野縁」と「野縁受け」
次に天井です。
天井のLGSは、壁とは少し仕組みが違います。
主な部材は、
- シングル野縁
- ダブル野縁
- 野縁受け
- ハンガー
- クリップ
- 吊りボルト
などです。
天井を下から見ると、格子状にLGSが組まれているように見えます。
8.19形と25形とは?
天井下地では、
19形
と
25形
という種類があります。
JIS A 6517に対応した天井下地では、19形・25形それぞれについてシングル野縁、ダブル野縁、野縁受けなどが設定されています。
例えばシングル野縁は、
- 19形:25×19×0.5mm
- 25形:25×25×0.5mm
となっています。
ダブル野縁は、
- 19形:50×19×0.5mm
- 25形:50×25×0.5mm
です。
つまり、
19形と25形では、野縁の高さが違う
と覚えると分かりやすいです。
9.野縁と野縁受けの違い
ここは現場監督として、ぜひ覚えておきたいところです。
ざっくり言うと、
野縁=天井仕上げ材を取り付ける側
野縁受け=野縁を支える側
です。
さらにその上には、
吊りボルト → ハンガー → 野縁受け → 野縁 → ボード
というような構成で天井下地が組まれていきます。
現場で天井を見るときは、
「この部材は何を支えているんだろう?」
と考えると、部材の役割が理解しやすくなります。
10.19形と25形は「高さが違う」と覚える
現場で、
「19です」
「25です」
と言われたときに、
「何の19?何の25?」
となってしまうことがあります。
まずは、
天井下地の19形・25形の話かな?
と考えてみましょう。
JISでは19形と25形について、野縁や野縁受けなどの寸法が規定されています。なお、屋内は19形、屋外は25形を標準とする仕様例もありますが、実際の現場では特記や設計・施工仕様を確認することが重要です。
11.LGSを見るときに現場監督が確認したいこと
LGS工事では、単純に「組み上がっているからOK」とするのではなく、図面・仕様書と照らし合わせて確認します。
例えば壁なら、
壁LGSチェック
- スタッドの種類は合っているか
- ランナーの種類は合っているか
- スタッドの間隔は図面・仕様通りか
- 壁の位置は墨通りになっているか
- 壁の高さは合っているか
- 開口部の位置は合っているか
- 建具部分の補強は必要か
- 設備配管・ダクトなどと干渉していないか
- ボードを張れる納まりになっているか
- 壁の出入り・通りに問題がないか
などを確認します。
12.天井LGSで確認したいこと
天井の場合は、
- 天井高さ
- 天井伏図との位置関係
- 野縁の種類
- 野縁受けの種類
- 野縁の間隔
- 吊りボルトの位置
- 設備との干渉
- 点検口の位置
- 照明器具の位置
- 空調吹出口・吸込口との取り合い
- 天井材を張れる下地になっているか
などを確認します。
特に大事なのが、
設備との取り合い
です。
天井LGSを先にきれいに組んだとしても、その後に、
「ここにダクトが通ります」
「ここに点検口が入ります」
「ここに照明があります」
となると、下地を組み直すことがあります。
そのため、天井下地を見るときは、
「LGSだけを見る」のではなく、「このあと何が入るのか」を考える
ことが重要です。
13.現場監督なら「数字」だけでなく「納まり」を見る
LGSの施工管理で重要なのは、部材の名前やサイズを覚えることだけではありません。
例えば、
「65形だからOK」
ではなく、
その65形の壁に、ボード・建具・設備・仕上げがどう納まるのか
まで考えることが大切です。
特に現場では、
LGS → ボード → 建具 → 巾木 → 天井 → 設備
など、いろいろな工事がつながっています。
一つの工事だけを見るのではなく、
「この工事の次に何が来るのか?」
を考えるようにすると、現場監督としての見方が変わってきます。
14.LGSを覚えるなら、まずこの5つ
最初から全部覚えようとすると大変なので、まずはこの5つを覚えておきましょう。
壁
① スタッド
縦の骨組み。
② ランナー
床・天井側でスタッドを受ける部材。
③ 50・65・75・90・100形
壁スタッドの代表的なサイズ区分。
天井
④ 野縁
天井仕上げ材を取り付ける下地。
⑤ 野縁受け
野縁を支える部材。
そして、
天井には19形・25形がある
というところまで覚えておけば、かなり現場が見やすくなります。
まとめ
今回は、建築現場でよく使われるLGSについてまとめました。
LGSは大きく、
壁下地
と
天井下地
に分けて考えると分かりやすいです。
壁下地は、
スタッド+ランナー
が基本。
代表的なサイズは、
50・65・75・90・100形
です。
天井下地は、
野縁+野縁受け
が基本。
19形・25形などの種類があります。
現場監督として大切なのは、単に「65形」「19形」と数字を暗記することではありません。
「この部材は何のためにあるのか?」
「この下地の上に、何が取り付くのか?」
「この納まりで次の業者が困らないか?」
という視点を持つことです。
LGSは内装工事の基本となる部分なので、現場で実物を見ながら、
「これは65スタッドだな」
「これはランナーだな」
「天井は19形だな」
と、一つずつ確認していくと覚えやすくなります。
施工管理は、図面だけを見ていてもなかなか身につきません。
実物を見て、触って、職人さんに聞いて、図面に戻る。
この繰り返しが、現場で使える知識につながっていきます。

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