オーダー
過去問
問題
オーダーは、西洋の古典建築等における柱とエンタブレチュアの比例関係を中心とする各部の構成基準である。
正解は ○
オーダーは、西洋の古典建築の基本単位となる円柱と梁(エンタブラチュア)の構成における一定の組合せの規則で、その代表的な種類にはドリス式、イオニア式、コリント式がある。
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覚えるためのポイント
オーダーの主な特徴は以下の3点である。
- 西洋の古典建築における柱と梁の構成規則である。
- 基本的な構成要素は柱基、柱身、柱頭、エンタブラチュアである。
- 代表的な様式は、ドリス式、イオニア式、コリント式の3種類である。
詳しい解説
オーダーは、西洋の古典建築において最も基本的かつ重要な構成単位として位置づけられています。円柱と上部の水平材である梁(エンタブラチュア)の組み合わせにおける厳密な比例関係と装飾的要素を規定する建築様式の規則体系です。この規則体系は、古代ギリシャ建築から発展し、それぞれが独自の特徴と美的価値を持つドリス式、イオニア式、コリント式という3つの代表的な様式を生み出しました。これらの様式は、その後の西洋建築の発展に大きな影響を与え、建築デザインの基礎として現代まで継承されています。
オーダーについて詳しく説明させていただきます。
1. オーダーの基本的な定義
オーダーは、西洋の古典建築における最も重要な基本単位として位置づけられています。具体的には、円柱と梁(エンタブラチュア)の構成における一定の組合せの規則を指します。
2. 主要なオーダーの種類
西洋建築において、代表的なオーダーには以下の3つの様式があります:
- ドリス式オーダー
- イオニア式オーダー
- コリント式オーダー
3. 各オーダーの特徴
ドリス式オーダー:
- 最も古い様式で、力強さと男性的な特徴を持つ
- 装飾が少なく、シンプルな造形が特徴
- 柱身には縦方向の溝(フルーティング)が施される
- 柱頭部は簡素な形状で、アバクスとエキヌスで構成
イオニア式オーダー:
- ドリス式より優美で女性的な特徴を持つ
- 渦巻状の装飾(ヴォリュート)が特徴的な柱頭
- 基壇部が発達し、より洗練された比例関係
- エンタブラチュアにも繊細な装飾が施される
コリント式オーダー:
- 3つの中で最も装飾的で豪華な様式
- アカンサスの葉をモチーフとした柱頭が特徴
- 全体的に細身で優雅な印象
- ローマ時代に最も好まれた様式
4. オーダーの構成要素
主要な構成部分:
- 柱基(ベース):柱の最下部
- 柱身(シャフト):柱の主要部分
- 柱頭(キャピタル):柱の最上部
- エンタブラチュア:柱上部の水平材で、以下の要素で構成
- アーキトレーブ:最下段の横材
- フリーズ:中段の装飾帯
- コーニス:最上段の突出部
5. オーダーの歴史的背景
発展過程:
- 古代ギリシャで確立された建築様式
- ローマ時代に体系化され、より装飾的に発展
- ルネサンス期に再評価され、古典主義建築の基礎に
- 現代でも建築デザインに影響を与え続けている
6. オーダーの重要性
建築史における意義:
- 西洋建築の基本文法として機能
- 建築の比例関係の基準を確立
- 様式建築の発展に大きく貢献
- 現代の建築教育でも重要な学習項目
7. 実践的応用
現代建築での活用:
- 古典的要素を現代建築に取り入れる際の参考
- 建築デザインの基礎知識として
- 建築の歴史的価値の理解に不可欠
- リノベーションや保存修復での活用
このように、オーダーは建築の歴史において重要な役割を果たし、現代でも建築を学ぶ上で欠かせない基礎知識となっています。一級建築士試験においても重要な出題項目の一つとなっており、建築の実践的な理解を深める上でも重要な概念です。
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