(一級建築士対策)絶対間違えない【サン・カルロ・アッレ・クァットロ・フォンターネ聖堂】の覚え方

【実例】西洋建築史

【建築名】サン・カルロ・アッレ・クァットロ・フォンターネ聖堂

過去問

問題

サン・カルロ・アッレ・クァットロ・フォンターネ聖堂(イタリア)は、楕円形のドームと、凹凸の湾曲面や曲線が使用されたファサードをもつバロック建築である。

正解は ○

サン・カルロ・アッレ・クァットロ・フォンターネ聖堂(イタリア)は、楕円形のドーム、凹凸の湾曲面や曲線が使用されたファサードと内部空間をもつバロック建築である。平面計画はバロック期の特徴である楕円をベースとし、うねる内部空間、カーブするファサードを生み出している。

実物写真

https://ja.advisor.travel/poi/__n-karuro-ature-kuwatoro-huontaneSheng-Tang-1999#google_vignette

覚えるためのポイント

サン・カルロ・アッレ・クァットロ・フォンターネ聖堂の主な特徴は以下の3点である。

  1. 楕円形のドームを採用し、バロック建築特有の動的な空間表現を実現している。
  2. ファサードには凹凸のある湾曲面と曲線を組み合わせ、独特の立体的な表現を実現している。
  3. 平面計画は楕円形をベースとし、周囲の空間と調和した有機的な空間構成となっている。

詳しい解説

サン・カルロ・アッレ・クァットロ・フォンターネ聖堂は、イタリア・ローマに位置する17世紀のバロック建築の傑作です。この聖堂は、建築家フランチェスコ・ボッロミーニによって1638年から1677年にかけて設計・建設されました。以下では、この建築物の特徴と歴史的重要性について詳しく解説していきます。

  1. 建築的特徴: この聖堂の最も顕著な特徴は、楕円形のドームと複雑な幾何学的デザインを用いたファサードです。ドームは、バロック建築特有の動的な空間表現を実現しており、内部に入ると上部に向かって螺旋状に展開する空間構成が見られます。天井には精緻な装飾が施され、光と影の劇的なコントラストを生み出しています。
  2. 平面計画: 平面計画において特筆すべきは、バロック期の特徴である楕円形をベースとした独創的な空間構成です。この楕円形の使用は、単なる装飾的要素ではなく、空間全体の有機的な流れを生み出す重要な役割を果たしています。中心部の楕円形平面は、周囲の空間と巧みに調和し、動的な空間体験を可能にしています。
  3. ファサードのデザイン: ファサードは、凹凸のある湾曲面と曲線を巧みに組み合わせることで、独特の立体的な表現を実現しています。この波打つような外観は、当時としては革新的なデザインであり、後のバロック建築に大きな影響を与えました。特に注目すべきは、垂直方向と水平方向の要素が絶妙なバランスで融合している点です。
  4. 内部空間の特徴: 内部空間は、複雑な幾何学的形態によって特徴づけられています。壁面は凹凸のある曲面で構成され、それらが連続的につながることで、流動的な空間を生み出しています。天井部分では、楕円形のドームを中心に、装飾的な浮き彫りや絵画が配置され、精神的な高揚感を演出しています。
  5. 建築史における位置づけ: この聖堂は、バロック建築の代表的作例として、建築史上重要な位置を占めています。特に、幾何学的な形態と有機的な曲線の融合、そして光の効果的な取り入れ方は、後世の建築家たちに大きな影響を与えました。
  6. 構造的特徴: 建物の構造面では、当時としては革新的な工法が採用されています。特に、楕円形ドームの支持システムは、技術的に高度な解決策を示しています。壁体構造は、曲面を効果的に支えるよう設計され、装飾的要素と構造的必要性が見事に調和しています。
  7. 光の演出: 建築空間における光の扱いも特筆すべき点です。窓の配置や大きさ、形状が綿密に計算され、内部空間に神秘的な雰囲気を作り出しています。特に、ドーム部分からの採光は、宗教建築としての荘厳さを強調する効果を持っています。
  8. 装飾プログラム: 内部の装飾プログラムは、建築空間と完全に一体化しています。壁面の彫刻、天井画、そして建築的装飾要素が、統一された視覚的効果を生み出しています。これらの装飾は、単なる表面的な装飾ではなく、空間全体の一部として機能しています。
  9. 都市的文脈: この聖堂は、ローマの都市構造の中で重要な位置を占めています。四つの泉が交差する場所に建てられたことから、都市計画的にも重要な意味を持っています。限られた敷地の中で、最大限の効果を発揮する建築的解決策を示しています。
  10. 現代的評価: 現代においても、この聖堂は建築デザインの優れた実例として高く評価されています。特に、限られた空間の中で最大限の効果を引き出す空間構成や、形態と機能の調和は、現代の建築家たちにも多くの示唆を与えています。

以上のように、サン・カルロ・アッレ・クァットロ・フォンターネ聖堂は、バロック建築の本質を体現する傑作として、建築史上極めて重要な位置を占めています。その革新的なデザインと技術的達成は、今日でも建築家や研究者たちの注目を集め続けています。

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