(一級建築士対策)絶対間違えない【ロサンゼルス現代美術館】の覚え方

【実例】公共建築

【建築名】ロサンゼルス現代美術館

過去問

問題

ロサンゼルス現代美術館(磯崎新)は、赤砂岩の外壁をもつ基壇部があり、その基壇部の上にピラミッド型のトップライト等が配置されている。

正解は ○

ロサンゼルス現代美術館(磯崎新)は、赤砂岩の外壁をもつ基壇部の上部に、自然採光のために設けられたピラミッド状のトップライトやヴォールトといった幾何学形態が特徴的である。

実物写真

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覚えるためのポイント

ロサンゼルス現代美術館の主な特徴は以下の3点である:

  • 赤砂岩を使用した基壇部を持つ
  • 基壇部上部にピラミッド状のトップライトが配置され、展示空間に自然光を取り入れている
  • ヴォールト(アーチ型天井)により、展示空間に豊かな空間性を与えている

詳しい解説

ロサンゼルス現代美術館(The Museum of Contemporary Art, Los Angeles、通称MOCA)は、現代アートの展示と保存に特化した美術館として1979年に設立されました。建築家・磯崎新による設計で、1986年に完成したこの建築物は、現代建築における重要な作品として高く評価されています。

建築の特徴的な要素として、まず基壇部に注目する必要があります。赤砂岩を外壁材として使用した基壇部は、周辺の都市景観との調和を図りながらも、独自の存在感を放っています。この赤砂岩の選択は、カリフォルニアの地域性を反映すると同時に、建物に温かみのある質感を与えています。

基壇部の上部には、建築の最も特徴的な要素が配置されています。自然光を効果的に取り入れるために設計されたピラミッド状のトップライトは、展示空間に理想的な光環境を創出します。これらのトップライトは、単なる機能的な要素を超えて、建築全体の造形的なアクセントとしても機能しています。

また、ヴォールト(アーチ型の天井)も建築の重要な幾何学的要素として採用されています。これらのヴォールトは、展示空間に豊かな空間性を与えるとともに、建物全体のリズムを生み出しています。この幾何学的な形態は、現代美術館としての先進性と、古典的な建築要素の融合を象徴しています。

建築の内部空間は、展示機能を最優先に考えて設計されています。自然光を効果的にコントロールするトップライトシステムは、美術作品の展示に最適な光環境を実現します。同時に、来館者の動線も慎重に計画されており、展示空間を自然に巡回できるよう配慮されています。

地下階には大規模な収蔵庫が設けられ、美術館の重要な機能である作品の保存にも十分な配慮がなされています。温度や湿度の管理が徹底された収蔵環境は、現代美術作品の長期的な保存を可能にしています。

建築の外観デザインは、周辺の都市環境との関係性も考慮されています。基壇部の水平性は、通りに面した建物群との調和を図りつつ、上部の幾何学的な形態によって現代美術館としての独自性を主張しています。

さらに、建物の配置計画においても、都市的なコンテキストへの配慮が見られます。メインエントランスの位置や外部空間の処理は、周辺の歩行者動線や都市の流れを意識して決定されています。

この建築は、機能性と象徴性を高度にバランスさせた現代建築の優れた実例として評価されています。美術館という文化施設としての機能要件を満たしながら、建築自体が一つの芸術作品として都市に存在感を示しています。

磯崎新の設計思想が結実したこの建築は、現代美術館という建築類型に新しい可能性を示すとともに、1980年代のポストモダン建築を代表する作品として、建築史上重要な位置を占めています。

ロサンゼルス現代美術館(MOCA)について、以下のように詳しく説明いたします:

1. 設立と概要

ロサンゼルス現代美術館は1979年に設立された現代アート専門の美術館です。日本の著名な建築家である磯崎新の設計により1986年に完成し、現代建築における重要な作品として高い評価を受けています。

2. 建築の特徴的要素

建築の最も顕著な特徴は以下の要素から構成されています:

■ 基壇部

赤砂岩を外壁材として使用した基壇部が特徴的です。この素材選択には二つの重要な意味があります:

  • 周辺の都市景観との調和を図りながら、独自の存在感を示すこと
  • カリフォルニアの地域性を反映しつつ、建物に温かみのある質感を与えること

■ ピラミッド状のトップライト

基壇部の上部に配置された最も特徴的な要素です。これらは:

  • 展示空間に理想的な自然光環境を創出する機能を持つ
  • 建築全体の造形的なアクセントとしても機能している

■ ヴォールト(アーチ型天井)

この建築要素は:

  • 展示空間に豊かな空間性を付与
  • 建物全体にリズムを創出
  • 現代美術館としての先進性と古典的建築要素の融合を象徴

3. 内部空間の設計

展示機能を最優先とした内部空間設計には、以下の特徴があります:

  • トップライトシステムによる最適な光環境の実現
  • 来館者が展示空間を自然に巡回できる動線計画
  • 地下階には温度・湿度管理が徹底された大規模収蔵庫を設置

4. 都市環境との関係性

建築の外観デザインは都市環境との調和を重視しています:

  • 基壇部の水平性により周辺建物群との調和を実現
  • 上部の幾何学的形態で美術館としての独自性を表現
  • 周辺の歩行者動線や都市の流れを考慮したメインエントランスの配置

5. 建築としての評価

本建築は以下の点で高く評価されています:

  • 機能性と象徴性の高度なバランスを実現
  • 文化施設としての機能要件を満たしながら、建築自体が芸術作品として都市に存在感を示している
  • 1980年代のポストモダン建築を代表する作品として、建築史上重要な位置を占めている

この建築は、現代美術館という建築類型に新しい可能性を示すとともに、磯崎新の設計思想が結実した重要な作品として評価されています。機能性と芸術性を両立させながら、都市環境との調和も実現した、現代建築の優れた実例といえます。

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