(一級建築士対策)絶対間違えない【アビタ’67】の覚え方

【実例】住宅・集合住宅

【住宅名】アビタ’67

過去問

問題

アビタ’67(カナダ・モントリオール)は、複数住棟の共用の庭をもち、各戸の専用庭及び住棟の雁行配置により住戸の独立性を高めた低層集合住宅である。

正解は ×

アビタ’67(カナダ・モントリオール)は、通路、階段、インフラ等をまとめた構造体(メガストラクチャー)に、総計354個のプレキャストコンクリートボックス(単位住居)を、はめ込み、積み重ね、吊り下げて構成した高層(最高12階)の集合住宅。設問の記述は、タウンハウス諏訪(多摩市)のことである。

実物写真

https://ishirabe.com/habitat-67/

覚えるためのポイント

アビタ’67の重要な特徴を3つご説明します:

  1. メガストラクチャーの採用:通路、階段、設備配管などのインフラストラクチャーを一体化した巨大な構造体を特徴としています
  2. モジュラー構造システム:354個のプレキャストコンクリートボックス(単位住居)を工場で製作し、はめ込み、積み重ね、吊り下げる形で配置しています
  3. 規模:最高12階建ての高層建築として構成され、354個の住居ユニットを内包する大規模な集合住宅です

詳しい解説

アビタ’67(カナダ・モントリオール)は、1967年に完成した革新的な集合住宅プロジェクトです。この建築物の特徴は、通路、階段、各種設備配管などのインフラストラクチャーを一体化した巨大な構造体(メガストラクチャー)にあります。この構造体に、工場で製作された354個のプレキャストコンクリートボックス(単位住居)を、まるでレゴブロックのように、はめ込み、積み重ね、そして一部は吊り下げる形で配置しています。最高12階建ての高層建築として構成されており、その独特な外観と構造システムは、1960年代のモダニズム建築を代表する作品として高く評価されています。

アビタ’67(Habitat 67)について詳しく解説いたします。

1. 概要と歴史的背景

アビタ’67は、1967年にカナダのモントリオールで完成した革新的な集合住宅プロジェクトです。この建築は、1960年代のモダニズム建築を代表する重要な作品として建築史に名を残しています。

2. 建築的特徴

この建築物の最も顕著な特徴は以下の3点に集約されます:

2.1 メガストラクチャーの採用

建物の骨格となる特徴的な要素として、以下のインフラストラクチャーを一体化した巨大な構造体(メガストラクチャー)があります:

  • 通路システム
  • 階段設備
  • 各種設備配管

これらの要素を統合することで、効率的かつ革新的な建築システムを実現しています。

2.2 モジュラー構造システム

アビタ’67の革新性は、そのユニークな建設方法にも表れています:

  • 工場製作による354個のプレキャストコンクリートボックス(単位住居)を使用
  • レゴブロックのような組み立て方式を採用
  • ボックスの配置方法:
    • はめ込み式
    • 積み重ね式
    • 吊り下げ式

これらの特徴により、効率的な建設プロセスと独特な外観を実現しています。

2.3 建築規模と構成

アビタ’67は以下のような規模で構成されています:

  • 最高12階建ての高層建築
  • 354個の住居ユニットを内包

この規模感は、当時の集合住宅としては画期的なものでした。

3. 建築史的意義

アビタ’67の建築史的重要性は以下の点に見られます:

  • 1960年代のモダニズム建築を代表する作品としての評価
  • 革新的な構造システムによる建築技術の進歩
  • 集合住宅における新しい可能性の提示

4. 技術的革新性

アビタ’67が実現した技術的革新性は以下の点に集約されます:

  • プレファブ工法の大規模な採用
  • モジュラー建築の新しい可能性の提示
  • インフラストラクチャーの統合的アプローチ

5. 現代的意義

アビタ’67は、現代の建築界においても数多くの重要な示唆と教訓を私たちに与え続けています。その革新的なアプローチは、今日の建築設計における様々な課題に対する解決策のヒントを提供しています:

  • 持続可能な建築の先駆的事例として、資源の効率的利用と環境負荷の低減を実現した画期的なプロジェクト
  • モジュラー建築の可能性を追求し、規格化された部材の組み合わせによる多様な空間創出の手法を確立
  • 効率的な都市住宅のモデルケースとして、限られた都市空間における快適な居住環境の実現方法を提示

このように、アビタ’67は単なる集合住宅プロジェクトの枠を大きく超えて、建築史上重要な転換点となった革新的な建築物として、現代でも非常に高い評価を受けています。その独創的な設計手法と構造システムは、プレファブ工法の可能性を広げ、モジュラー建築の新たな地平を切り開きました。さらに、インフラストラクチャーの統合的アプローチは、今日の建築設計における効率性と機能性の追求に大きな影響を与え続けています。その影響力は、現代の持続可能な建築設計や都市開発のあり方にまで及んでいます。

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