題名:TMCP鋼
過去問・類似問題
問題1 構造 H20-25
建築構造用TMCP鋼は、同じ降伏点のSN材やSM材に比べて炭素当量が低減
されているので、溶接性が向上している。
問題1 正
問題2 構造 R03-29
建築構造用TMCP鋼は、一般に、化学成分の調整と熱加工制御法により製造さ
れ、板厚が40㎜を超え100㎜以下の材であっても、40㎜以下の材と同じ基準強度が
保証されている。
問題2 正。
覚え方・解説
■降伏点
板厚が40mmを超えると(=板厚が厚くなると)、熱処理時の冷却にムラができ
やすく、降伏点が低下する。
■基準強度
鋼材は降伏点を基準強度としているので、一般に、板厚が40mmを超えると、基
準強度は小さくなる。
■引張強さ
引張強さは、板厚にかかわらず同じ。
・今回はこれと関連する内容です。
・TMCP鋼とは、Thermo Mechanical Control Process(熱加工制御)の略で、
製造過程での熱処理時の温度を制御することにより冷却にムラがなくなるた
め、板厚が40㎜を超える場合でも基準強度の低減が不要です。
■問題1について
・一般に、鋼材は約0.8%までは炭素量が多くなると、強度は大きくなりますが、
脆くなり、溶接性も低下します。
・TMCP鋼は、高度な熱加工制御により炭素量が少なくても強度が大きく、溶
接性も向上しています。
■問題2について
・TMCP鋼に関する問題1の溶接性も大事な内容ですが、それに勝るとも劣ら
ない重要なポイントが、「厚鋼板でも基準強度の低減が不要」という点です。
■TMCP鋼
・板厚が40mmを超える厚鋼板でも基準強度の低減が不要。
■一般の鋼材
・板厚が40mmを超えると、熱処理時の冷却にムラができやすく基準強度が小さく
なる。
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