筋かい軸部と接合部の強度 【構造】

題名:筋かい軸部と接合部の強度

過去問・類似問題

問題1 構造 R02-17
鉄骨構造において、引張力を負担する筋かいを保有耐力接合とするためには、筋かい軸部の降伏耐力より、筋かい端部及び接合部の破断耐力を大きくする必要がある。

問題1 正。

問題2 構造 H14-22
木製の筋かいを有する木質構造の靭性を確保するため、筋かいに座屈や引張破断が生じる前に、筋かい端部の接合部が破壊しないように設計した。
問題2 誤。木造と鉄骨造は逆になります。

問題3 構造 H05-27
木材の繊維に直交方向の圧縮によるめり込みは、一般に、脆性的な性状を示さない。
問題3 正。

覚え方・解説

・問題1は基本です。問題2はひっかけ問題です。
・これは鉄骨と木材の破壊特性の違いによります。
・鉄骨造の筋かい軸部は粘り強く伸びます。その塑性変形能力に期待します。
鉄骨造の接合部の破壊は、脆性破壊になります。
したがって、鉄骨造では筋かい軸部の降伏を先行させたほうが靱性を確保できます。
・一方、木造の筋かい軸部は伸びないので、塑性変形能力が期待できません。
逆に、木造の接合部の破壊は、圧縮では木材のめり込み、引張ではボルトのめり込みにより、急激に耐力が低下せず、靱性破壊になります。
したがって、木造では接合部の破壊を先行させたほうが靱性を確保できます。

■鉄骨造の筋かい
筋かい軸部の降伏強度  ≦ 接合部の破断強度
(筋かい軸部は靱性破壊) (接合部は脆性破壊)
(伸びる)        (ぶちぎれる)
■木造の筋かい
筋かい軸部の破断強度  ≧ 接合部の降伏強度
(筋かい軸部は脆性破壊) (接合部は靱性破壊)
(伸びない)       (めり込み)

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