題名:柱・梁の種別(FA~FD)等
過去問・類似問題
問題1 構造 R03-14
鉄筋コンクリート構造において、付着割裂破壊する柱については、急激な耐力低下のおそれがないので、部材種別をFAとして構造特性係数Dsを算定した。
問題1 正
問題2 構造 H28-14
鉄筋コンクリート構造の「ルート3」の計算において、崩壊メカニズム時にせん断破壊した柱部材の種別をFDとした。
問題2 正
問題3 構造 H20-14
鉄筋コンクリート構造において、必要保有水平耐力の計算に当たり、付着割裂破壊する柱の部材種別をFB材として構造特性係数Dsを算定した。
問題3 誤。付着割裂破壊(RC造において、異形鉄筋の節(ふし)が周囲のかぶりコンクリートを押し広げ、はく離させる破壊)は脆性破壊であり、脆性破壊する部材の種別はD。したがって、柱の部材種別はFDとします。
問題4 構造 H22-14
鉄筋コンクリート造の建築物の保有水平耐力計算において、構造特性係数Dsを算定する際に必要となる部材種別の判定に当たり、メカニズム時において耐力壁部材がせん断破壊したので、部材種別はWDとした。
問題4 正。せん断破壊は脆性破壊であり、脆性破壊する部材の種別はD。したがって、耐力壁の部材種別はWDとします。
問題5 構造 H24-18
ブレース構造とした鉄骨造の梁において、崩壊メカニズム時に弾性状態に留まることを確かめたので部材種別FBの梁を採用した。
問題5 正。本来、梁の部材種別はFAが望ましいのですが、崩壊メカニズム時(崩壊機構を形成した時)に弾性状態に留まるならば、「塑性状態における変形性能を表す靱性」は関係ないので、FBでも良いです。
問題6 構造 H24-19
鉄骨鉄筋コンクリート構造において、構造特性係数Dsの算定に当たって、耐力壁の想定される破壊モードがせん断破壊以外であったので、その耐力壁の種別をWAとした。
問題6 正。SRC造の耐力壁の種別は、WAとWCしかなく、せん断破壊「以外」ならばWA、せん断破壊ならばWCとします。
覚え方・解説
・この設問を理解する上で、はじめに「構造特性係数」と「部材種別」の関係を確認しておきましょう。
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構造特性係数Dsの値を決める要素に、「耐力壁・筋かいの水平力分担率βu」や「柱・梁の種別(FA~FD)」、「耐力壁の種別(WA~WD)」等がある。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――
・部材種別のFはフレーム(=柱・梁)のF。WはウォールのWです。
・一般に「靱性部材」とされる「柱・梁」の中にも、靱性の高い部材もあれば低い部材もあり、また、一般に「脆性部材」とされる「耐力壁・筋かい」の中にも、靱性の高い部材もあれば低い部材もあります。それをAからDまででランク付けするのです。
柱・梁の種別にはFA~FD、耐力壁の種別にはWA~WDがあり、
・靱性が高ければAランク(FAやWA)。
・靱性が低く、脆性破壊のおそれが高ければCランクやDランク。
(構造種別、部位によっては、Cまでしかない、又はAとCしかないという場合もあります。)
あとは、何が脆性破壊かが分かれば解けます。
■RC造の脆性破壊
・せん断破壊 ・圧縮破壊 ・付着割裂破壊
■S造の脆性破壊
・座屈 ・局部座屈 ・横座屈 ・接合部破断
【注意】S造のせん断降伏は靭性があります。
「偏心K形筋かい付き骨組」や「せん断パネル型鋼材ダンパー」はそれを利用するものです。
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