コンクリート構造を強固にするあと施工アンカー:接着系注入式アンカーの特徴と施工の流れ

現場監督【建築】

コンクリート構造を強固にするあと施工アンカー:接着系注入式アンカーの特徴と施工の流れ

今日はあと施工アンカーの施工をした

ケミカルアンカーだ

 

01.材料検収

02.ドリルの穿孔深さ

03.穿孔状況

04.穿孔深さ確認

05.穿孔内清掃

06.アンカー筋入れ(あふれ出ることを確認)

07.あと施工アンカー完了

 


1. 接着系あと施工アンカーとは?

あと施工アンカーとは、すでに硬化したコンクリートに穴をあけ、そこに固定具を取り付ける工法の総称です。その中でも 接着系アンカー(ケミカルアンカー) は、専用の接着剤(樹脂)によってアンカー筋を母材に定着させる仕組みです。主に二つのタイプがあります:

特徴と利点


2. 注入式のメリットと注意点

メリット

  • 埋込み長さが自由:カプセル型とは違い、アンカーの長さに柔軟に対応できます。Ad-HzmChemical Setter

  • 形状自由度が高い:L字筋や長さのある異形棒鋼でも施工可能。前田工繊株式会社

  • 周囲が静かな環境でも使いやすい:湿式コアドリル併用で、集合住宅や病院などでの施工に適しています。Ad-Hzm

注意点

  • 硬化時間が長め:とくにカプセル型に比べて硬化時間が長く、低温時はさらに遅延します。その間、アンカー筋が傾いたり、ずれたりするリスクがあります。JCIデータ青木あすなろ建設株式会社

  • 施工精度の確保が必要:硬化前にずれを防ぐための固定・養生が必要となる場合が多く、工程が煩雑になることもあります。JCIデータ青木あすなろ建設株式会社


3. 施工の流れ(注入式の場合)

  1. 穿孔:まず母材にドリルで穴を穿ちます。

  2. 清掃:粉塵をブラシやブロワーで徹底的に除去し、接着力の低下を防ぎます。サンコーテクノウィキペディア

  3. 注入:接着剤を注入ガンなどで穴内に充填。

  4. 挿入:アンカー筋を差し込み、位置固定。時には回転を加え攪拌することも。サンコーテクノChemical Setter

  5. 硬化・養生:固まるまで固定し、ずれや傾きのないよう注意。

  6. 完了:硬化後、ナット等で締め付けて仕上げます。


4. 工法の進化と実践的工夫

注入式アンカーで懸念される「硬化中のずれ」問題を解消するために、独自の固定部材をアンカー筋に装着し、施工精度と効率を改善する新工法が開発されています。これにより、養生作業が不要になり施工時間の短縮が期待できます。JCIデータ青木あすなろ建設株式会社


5. 現場での使い分けと選び方

工法 特徴 適した場面
接着系アンカー(カプセル型) 即施工かつ安定した接着。施工器具不要。 短工期・標準部材の施工。
接着系アンカー(注入型) 埋込み長や形状に柔軟。高強度・大荷重対応。 耐震補強、大型設備取り付けなど。

どちらを選ぶかは、対象構造・荷重条件・施工環境・工期などを勘案して判断しましょう。サガ・コア&カッター工業(株) | 佐賀県白石町+1


エンディングメッセージ

注入式の接着系あと施工アンカーは、高い強度と柔軟性を兼ね備えた優れた工法ですが、それゆえに施工精度や硬化管理が鍵となります。現場のニーズに応じて、カプセル式との使い分け、あるいは固定具併用による効率化など、賢く選定することが大切です。

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