題名:吊り材の安全係数
過去問・類似問題
問題1 施工 H20-05
労働安全衛生規則に基づき、杭打ち機の巻上げ用ワイヤロープの安全係数は、ワ
イヤロープの切断荷重の値を当該ワイヤロープにかかる平均荷重の値で除した値
としなければならない。
問題1 誤。安全係数は、切断荷重の値を「最大荷重」で除した値。「平均荷
重」で除した値ではありません。
問題2 施工 H29-05
吊り足場(ゴンドラの吊り足場を除く。)における作業床の最大積載荷重を定め
るに当たり、吊りワイヤロープの安全係数を5とした。
問題2 誤。吊りワイヤロープの安全係数は10以上とします。
問題3 施工 H26-05
吊り足場(ゴンドラの吊り足場を除く。)において、作業床の最大積載荷重を定
めるに当たり、吊り鎖及び吊りフックの安全係数を5以上とした。
問題3 正
問題4 施工 H21-05改
クレーンの玉掛け作業に用いるワイヤロープについては、安全係数が5のものを
使用した。
問題4 誤。クレーンの玉掛け用ワイヤロープの安全係数は6以上とします。
覚え方・解説
・吊り材の安全係数とは、吊り材の切断荷重の値を、当該吊り材にかかる最大荷
重で除した値です。
・つまり、最大荷重の何倍まで切断しないように安全を見るかという値です。
・したがって、安全係数が大きいほど、安全に対して余裕を見込んでいます。
・信頼性が高いものは、安全係数を小さくして良く、
信頼性の低いものは、安全係数を大きくして、余裕を見込む必要があります。
覚え方 ・「ワイヤロープ」か「吊り鎖(チェーン)、吊りフック」かで大きく
2つに分けます。
■「吊り鎖(チェーン)、吊りフック」の安全係数は5です。
・「吊り鎖(チェーン)、吊りフック」は「ワイヤロープ」に比べて信
頼性が高いので、安全係数は5と低めで良いのです。
■「ワイヤロープ」の安全係数について
・逆に「ワイヤロープ」は、信頼性が低いので、安全係数は6又は10
と高めにしなければなりません。
・なぜ信頼性が低いかというと、「ワイヤロープ」は、非常に細い鋼線(素線とい
います)を複数より合わせたものを、さらにより合わせて1本にしたロープで
す。そして、実は素線については、ある程度の切断は許容されているのです。そのため信頼性が低いのです。
・吊り足場の吊りワイヤロープは「人」を吊るので、安全を見て安全係数は10。
・クレーン等の玉掛け用ワイヤロープと、杭打ち機等の巻上げ用ワイヤロープは、「物」を吊るので、安全係数は低めの6。
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