題名:低音の処理
過去問・類似問題
問題1 環境 H29-01
音の回折は、音波の伝搬空間に障害物がある場合に、障害物の背後に音が回り込
んで伝搬する現象であり、障害物の大きさよりも音の波長が大きいほど回り込み
やすい。
問題1 正。
波長が長い音は低音です。
問題2 環境 R03-10
防音塀は、音の回折による減衰を利用して、騒音を低減化するものであり、一般
に、低音域よりも高音域において有効である。
問題2 正
問題3 環境 R02-09
屋外において、遠方の音源から伝搬する音の強さは、空気の音響吸収によって、
低周波数域の音ほど減衰する。
問題3 誤
問題4 環境 H22-08
単一材料からなる壁体の遮音性能について、質量則によれば、周波数が低いほ
ど、壁の透過損失は大きくなる。
問題4 誤
覚え方・解説
共通点は、「低音の処理は難しい」ということです。
■防音塀等の障害物で低音の回折を防ぐのは難しい。
■空気の音響吸収で低音を減衰するのは難しい。
■低音を遮音するのは難しい。
■音の回折現象
・音の回折現象は、音が伝搬途中にある障害物の裏側に回り込む現象です。
・一般に、高音よりも低音のほうが大きく回折する傾向があります。
・このため、騒音防止のために設ける障壁は、高音の遮断には有効ですが、低音
の遮断にはあまり有効ではありません。
■空気の音響吸収
・空気中を伝搬する音のエネルギーの一部は、空気の分子運動等によって吸収さ
れ、減衰(減ること)します。高音は減衰しやすく、低音はあまり減衰しませ
ん。
■透過損失と周波数(質量則)
・質量則によれば、周波数が高いほうが、壁の透過損失は大きくなります。
・周波数が2倍になると、透過損失の値は約6dB増加します。
・透過損失が大きいということは遮音性能が高いことを意味しましたね。
・したがって、周波数が高い高音ほど、壁の遮音性能は高くなります。
・逆に、低音のほうが、壁の遮音性能は低くなります。
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