題名:擁壁の設計
過去問・類似問題
問題1 構造 H30-21
擁壁底版とその直下の地盤との間に生じる滑動抵抗力を、擁壁背面側に作用する土圧等の水平成分の1.5倍以上となるように設計すれば、使用限界状態での擁壁の変形等の検討は省略できる。
問題1 正。長期荷重時に使用上の支障をきたす変形等が生じないことを求める「使用限界状態」では、原則として、擁壁の滑動時の変形等を検討する必要がありますが、[滑動抵抗力≧滑り出す力×1.5]とすれば、十分に余裕があるため、擁壁の滑動時の変形等の検討を省略できます。
問題2 構造 H27-21
擁壁の転倒に対する検討においては、安定モーメントが常時作用する土圧による転倒モーメントに1.5を乗じた値を上回ることを確認する必要がある。
問題2 正
問題3 構造 H19-19
擁壁の安定モーメント(円弧滑りに対する抵抗力)は、土圧等による滑動モーメントの1.5倍を上回るように設計する。
問題3 正
覚え方・解説
・擁壁の設計では、主に転倒、円弧すべり、滑動、地盤の支持力に対する検討を行います。
・転倒による破壊に対しても、円弧すべりによる破壊に対しても、滑動(水平すべり)による破壊に対しても、すべて1.5倍の抵抗力を持つように設計します。
・すなわち、5割増で余裕を見ます。
・なお、円弧すべりとは、円弧状にすべり面を形成し、えぐり取られるような斜面破壊を言います。
■滑動に対する基礎底面の摩擦力 > 水平力(主働土圧+水圧)×1.5
・摩擦係数は、粘性土地盤よりも砂質土地盤のほうが大きい。
(砂質土のほうが粒径が大きく、ザラザラで摩擦力が大きい。)
■転倒に対する安定モーメント > 転倒モーメント×1.5
・L型擁壁のフーチング上の土の重量は、擁壁の転倒に対する抵抗として考慮することができる。
■円弧滑りに対する安定モーメント > 滑動モーメント×1.5
・円弧状にすべり面のせん断抵抗は、砂の内部摩擦角と粘土の粘着力による。
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