題名:降伏比・幅厚比・細長比
過去問・類似問題
問題1 構造 R03-15
鉄骨構造において、ラーメン架構の靱性を高めるため、塑性化が想定される部位に降伏比が小さい材料を採用した。
問題1 正
問題2 構造 R02-15
鉄骨構造において、梁の塑性変形性能は、使用する鋼材の降伏比が小さいほど、向上する。
問題2 正
問題3 構造 R02-17
鉄骨構造のH形鋼の梁の設計において、板要素の幅厚比を小さくすると、局部座屈が生じにくくなる
問題3 正
問題4 構造 H25-16
鉄骨構造のラーメン構造において、靱性を高めるために、塑性化が予想される柱又は梁については、幅厚比の大きい部材を用いる。
問題4 誤
問題5 構造 R02-15
鉄骨構造において、有効細長比λが小さい筋かい(λ=20程度)は、中程度の筋かい(λ=80程度)に比べて塑性変形性能が低い。
問題5 誤。有効細長比λが小さい筋かいは、塑性変形性能が高いです。
覚え方・解説
鉄骨構造の「比」は、すべて小さいほど塑性変形能力が高い
・降伏比
・幅厚比
・細長比
■降伏比
降伏比(降伏強度/引張強度)が小さいほど、降伏してから最大強度(=引張強度)までの余裕があり、塑性変形能力が大きくなります。
■幅厚比
幅厚比(幅/厚)が小さいほど、分厚くなり(ピンと来なかったら絵を描いて!)、局部座屈が生じにくくなり、塑性変形能力が大きくなります。
■細長比
細長比(座屈長さ/断面二次半径)は、文字通り、細長さを表すので、細長比が小さいほど、細長くなくなります。すると、座屈が生じにくくなり、塑性変形能力が大きくなります。(座屈は抵抗力が急激に低減します。)
・塑性変形能力についても確認しておきましょう。
「靱性が高い」=「粘り強い」=「塑性変形能力が高い」=「変形能力が高い」
すべて、同じ意味です。
すべて、降伏後に抵抗力が急激に低減することなく、塑性域でも変形し続ける能力が高い、という意味です。
ついでに次のことも確認しておきましょう。
一般に、AB比と言えば、A/Bです。
・幅厚比は、幅/厚
・径厚比は、径/厚(鋼管の場合)
・水セメント比は、水/セメント(質量比)
・セメント水比は、セメント/水(質量比)
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