必要保有水平耐力Qun・Qud 【構造:一級建築士独学サポート】

題名:必要保有水平耐力Qun・Qud

過去問・類似問題

構造 H26-24
必要保有水平耐力Qunは、建築物の一次固有周期を長くすると小さくなる。

問題1 正

覚え方・解説

・はじめに、この設問は「保有水平耐力 ≧ 必要保有水平耐力」における右辺の「必要保有水平耐力」についての設問だということを見極めましょう。
・「必要保有水平耐力」は、文字通り「保有水平耐力」として最低「必要」な値です。
■「必要保有水平耐力」の具体的な算出方法は?
(必要保有水平耐力Qun)=(構造特性係数Ds)×(形状係数Fes)×(C0=1.0の大地震時の地震層せん断力Qud)
・このDs、Fes、Qudの中でベースとなるのはQudです。
・DsとFesは、それを補正するものです。
・今回は、ベースとなる「C0=1.0の大地震時の地震層せん断力Qud」について扱います。

「C0=1.0の大地震時の地震層せん断力Qud」とは
Qud=(Z・Rt・Ai・C0)×Wiの式でC0=1.0とした値。

あらためてもう一度設問を確認しましょう。

問題1 構造 H26-24改
必要保有水平耐力Qunは、建築物の一次固有周期を長くすると小さくなる。

・この問題は、必要保有水平耐力Qunというよりは、Qud=(Z・Rt・Ai・C0)×Wiの知識を問われているのです。

・【振動特性係数Rt・免震構造・長周期地震動】、【固有周期TとAi・振動特性係数Rtとの関係】で学習したように、建築物の一次固有周期が長くなるほど、地盤の固有周期との差が大きくなり、共振が生じにくくなり、振動特性係数Rtは小さくなります。
→ したがって、「C0=1.0の大地震時の地震層せん断力Qud」が小さくなります。
→ したがって、「必要保有水平耐力Qun」が小さくなります。

一次固有周期が長い
→ 振動特性係数Rtが小さい
→ C0=1.0の大地震時の地震層せん断力Qudが小さい
→ 必要保有水平耐力Qunが小さい

補足 「Q・u・n・d」の記号の意味
・必要保有水平耐力Qun
・C0=1.0の大地震時の地震層せん断力Qudの英字の意味は次のとおりです。「Q」と「u」は共通です。
「Q」はせん断力のQ(ドイツ語Querkraft)
「u」はultimate(終局) ※保有水平耐力は水平方向の終局耐力です。
「n」はnecessary(必要)
「d」はdesign(設計用) ※Qud=(Z・Rt・Ai・C0)×Wiは、実際に生じる地震層せん断力ではなく、あくまで「設計用」の地震層せん断力です。

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