【建築名】求道學舎
過去問
問題
求道學舎(東京都)は、居住者が共同生活をすることに重点を置き、居間や浴室等のコモンスペースの充実を図った、テラスハウスである。
正解は ×
「求道學舎(東京都文京区)」は、大正15年に建築された学生寮(設計:武田五一)を「定期借地権+コーポラティブ方式」、すなわち協同組合運営方式により共同で土地を借り受け、個々に好みの注文を付加しながら造る集合住宅として改修・再生したもので、住戸は全10戸、間取りは1K~2LDKで構成されている。歴史的建物として後世まで残すため、スケルトン・インフィル方式でリノベーションされた。
問題
求道學舎(東京都文京区)の特徴は、80人が集まって生活することに重点を置き、居住者全員で使用するリビングスペースや浴場等の共用空間の充実を図った。
正解は ×
設問は、再春館製薬女子寮についての記述である。「再春館製薬女子寮(熊本県熊本市)」は、研修を兼ねながら利用されるため、個室の充実よりもむしろ80人が集まって生活することに重点を置き、居住者全員で使用するリビングスペースや大きな浴場等の共用空間の充実を図っている。「求道學舎(東京都文京区)」は、大正15年に建築された学生寮(設計:武田五一)を「定期借地権+コーポラティブ方式」、すなわち協同組合運営方式により共同で土地を借り受け、個々に好みの注文を付加しながら造る集合住宅として改修・再生したもので、スケルトンインフィル方式を採用している。住戸は全10戸、間取りは1K~2LDKで構成されている。
実物写真
https://tanakalab.jpn.org/1216/
覚えるためのポイント
求道學舎の一級建築士試験対策のための重要な特徴です:
- 大正15年建築の学生寮を定期借地権+コーポラティブ方式で再生した
- スケルトン・インフィル方式を採用し、歴史的価値を保存しながら現代の居住性能を確保している
- 全10戸で1Kから2LDKまでの多様な間取りを実現している
詳しい解説
「求道學舎(東京都文京区)」は、大正15年に建築された歴史的価値の高い学生寮を、革新的な「定期借地権+コーポラティブ方式」を用いて再生したプロジェクトです。この方式では、居住者たちが協同組合として共同で土地を借り受け、各自の生活スタイルや好みに合わせて住戸をカスタマイズできる特徴があります。建物全体は10戸の住戸で構成され、多様なライフスタイルに対応できるよう1Kから2LDKまでの様々な間取りが用意されています。この歴史的建造物の文化的価値を損なうことなく後世に継承しつつ、現代の居住性能も確保するため、建物の骨格部分(スケルトン)と内装・設備部分(インフィル)を分離して考えるスケルトン・インフィル方式を採用してリノベーションが実施されました。
求道學舎について詳しく解説させていただきます。
1. 歴史的背景と概要
求道學舎は東京都文京区に位置し、大正15年に建設された歴史的建造物です。当初は学生寮として建設され、その設計は著名な建築家である武田五一によって手がけられました。
2. 再生プロジェクトの特徴
この建物は、以下の特徴的な方式により再生されました:
- 定期借地権とコーポラティブ方式の組み合わせ
- 居住者が協同組合として共同で土地を借り受け
- 各居住者が個別の要望を反映させることが可能
3. 建築的特徴
住戸構成:
- 総戸数:10戸
- 間取りバリエーション:1Kから2LDKまで多様な住戸タイプを用意
4. リノベーション手法
歴史的価値の保存と現代的な居住性の両立を図るため、スケルトン・インフィル方式が採用されました。この方式により:
- 建物の基本構造(スケルトン)を保持しながら
- 内装や設備(インフィル)を現代のニーズに合わせて刷新
5. 建築的意義
求道學舎の再生プロジェクトは、以下の点で重要な意義を持ちます:
- 歴史的建造物の保存と活用の両立
- 協同組合方式による新しい住まい方の提案
- 個別性と共同性の融合
6. 誤解されやすい点の訂正
しばしば誤解される点として、以下が挙げられます:
- テラスハウスではない
- 共用空間重視型の集合住宅ではない
7. 現代的意義
このプロジェクトは以下の観点から現代的な意義を持ちます:
- 歴史的建造物の持続可能な活用モデル
- コミュニティ形成と個人の居住性の両立
- 都市における建築ストックの有効活用
8. 建築技術的特徴
スケルトン・インフィル方式の採用により:
- 建物の歴史的価値の保存
- 現代の居住ニーズへの対応
- 将来的な可変性の確保
9. 運営方式の特徴
協同組合運営方式により:
- 居住者による主体的な建物管理
- 個々の要望を反映した住戸づくり
- 持続可能な建物維持の実現
まとめ
求道學舎は、歴史的建造物の保存と現代的な居住ニーズの調和を実現した優れた事例です。定期借地権とコーポラティブ方式を組み合わせた革新的な運営方式と、スケルトン・インフィル方式による改修手法により、建築遺産の保存と活用の新しいモデルを示しています。
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