【建築名】ハギア・ソフィア大聖堂(トルコ)
過去問
問題
ハギア・ソフィア大聖堂(トルコ)は、バシリカ形式とドーム集中形式とを融合させた平面をもち、巨大なドーム構造によって内部に広大な空間を作り出したビザンチン様式の建築物である。
正解は ○
ハギア・ソフィア大聖堂(トルコ)は、直径が約31m、床から頂部までの高さが約55mという巨大なペンデンティブドームをもつ初期ビザンチン様式の建築物である。バシリカ形式(初期キリスト教教会堂形式)とドーム集中形式とを融合させた平面をもつ。
実物写真
https://history-univ.sakura.ne.jp/art/medieval/europe/hagia_sophia.html
覚えるためのポイント
ハギア・ソフィア大聖堂(トルコ)の主な特徴は以下の3点である。
- 巨大なペンデンティブドームを持ち、直径約31m、高さ約55mの壮大な規模を誇る。
- バシリカ形式とドーム集中形式を融合させた革新的な平面計画を採用している。
- ビザンチン建築を代表する初期の傑作であり、後世の宗教建築に大きな影響を与えた。
詳しい解説
ハギア・ソフィア大聖堂(トルコ)は、建築史上極めて重要な初期ビザンチン様式の建造物として知られています。その最も特筆すべき特徴は、直径が約31メートル、床から頂部までの高さが約55メートルという、当時としては驚異的な規模を誇る巨大なペンデンティブドームです。このドームは、高度な建築技術と革新的な構造設計によって実現されました。また、この建築物は伝統的なバシリカ形式(初期キリスト教教会堂形式)と画期的なドーム集中形式とを見事に融合させた平面構成を特徴としており、これは後世の宗教建築に多大な影響を与えることとなりました。
ハギア・ソフィア大聖堂について、詳しく解説させていただきます。
1. 建築的特徴と規模
ハギア・ソフィア大聖堂は、初期ビザンチン様式を代表する壮大な建築物です。その最も特筆すべき特徴は、巨大なペンデンティブドームにあります。このドームは以下の寸法を誇ります:
- 直径:約31メートル
- 床から頂部までの高さ:約55メートル
建築様式の特徴として、2つの異なる形式を融合させた革新的な設計が挙げられます:
- バシリカ形式(初期キリスト教教会堂形式)
- ドーム集中形式
2. 歴史的背景と意義
ハギア・ソフィアは、現在のトルコ・イスタンブールに位置し、世界建築史上最も重要な建造物の一つとして認識されています。その歴史は以下の時代に大きく分けられます:
ビザンチン帝国時代:
- 東ローマ帝国の首都コンスタンティノープルの主教座聖堂として建設
- キリスト教世界における最も重要な宗教建築の一つとして機能
オスモン帝国時代:
- モスクとしての利用
- イスラム建築の要素の追加
現代:
- 博物館としての活用
- 世界遺産としての保護
3. 建築技術と構造的特徴
ペンデンティブドームシステム:
- 四角形平面上に円形ドームを載せる画期的な構造システム
- 建築空間に広がりと高さを同時に実現
構造的革新:
- 大スパンを可能にした建築技術
- 自然光を効果的に取り入れる窓システム
4. 芸術的要素
内部装飾:
- モザイク装飾
- 大理石の壁面装飾
- カリグラフィー
空間構成:
- 中央ドームを中心とした階層的な空間構成
- 光と影の効果的な演出
5. 現代的意義と影響
建築史への影響:
- 後世の宗教建築に多大な影響を与えた
- ドーム構造の可能性を示した先駆的建築例
文化的価値:
- 異文化の融合を象徴する建築物
- 建築技術の発展を示す重要な証拠
6. 保存と活用
保存の取り組み:
- 構造補強による建物の保護
- 歴史的価値の維持と継承
現代での活用:
- 観光資源としての価値
- 建築研究の対象としての重要性
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