(一級建築士対策)絶対間違えない【アスペン美術館】の覚え方

【実例】公共建築

【建築名】アスペン美術館

過去問

問題

アスペン美術館(坂茂)は、建築物の中央部にアトリウムがあり、アトリウムに面した螺旋状のスロープによって、最上階から地上階まで連続した空間となるように計画されている。

正解は ×

設問は、ソロモン・R・グッゲンハイム美術館(フランク・ロイド・ライト)についての記述である。

アスペン美術館(坂茂)は、1階に十分なロビー空間は無く、まず屋上へ登り、周囲の景観を眺めたのちに1階ずつ下りてアートを鑑賞する動線計画となっている。外観は、格子状に編んだ木突板のスクリーンで北面と東面のガラスカーテンウォールを覆っており、構造の工夫として、柱の少ない空間を作るためスペースフレーム(立体骨組)を採用している。

実物写真

https://www.tjapan.jp/design_and_interiors/17330257/album/16788639/image/16866578

覚えるためのポイント

アスペン美術館の主な特徴は以下の3点である:

  • 1階は最小限のロビー空間のみで、屋上から下階へと降りながら鑑賞する特徴的な動線計画となっている
  • 北面と東面のガラスカーテンウォールを木突板の格子状スクリーンで覆っている
  • スペースフレームを採用することで、柱の少ない開放的な空間を実現している

詳しい解説

アスペン美術館は、従来の美術館設計とは異なる特徴的な動線計画を採用しています。具体的には、1階部分には必要最小限のロビー空間のみを設け、来館者はまず屋上へと誘導されます。そこで周囲の壮大な景観を眺めることができ、その後、各階を下りながらアート作品を鑑賞していく独特の下降型の動線となっています。外観デザインにおいては、環境に配慮した格子状の木突板スクリーンを採用し、北面と東面のガラスカーテンウォールを効果的に覆っています。さらに、構造面では革新的な工夫が施されており、展示空間の自由度を高めるため、スペースフレーム(立体骨組)を採用することで柱の少ない開放的な空間を実現しています。

アスペン美術館について、その建築的特徴と設計思想について詳しく解説いたします。

1. 建築概要と基本設計

アスペン美術館は、建築家・坂茂による革新的な美術館建築です。この建築物の最も特徴的な点は、従来の美術館設計の常識を覆す独特な動線計画にあります。

2. 特徴的な動線計画

一般的な美術館では、エントランスから展示空間へと向かう上昇的な動線が採用されることが多いのですが、アスペン美術館では、これとは全く異なるアプローチを取っています。具体的には:

  • 1階部分には広いロビー空間を設けず、最小限の機能に抑えています
  • 来館者はまず屋上へと誘導されます
  • 屋上では周囲の景観を楽しむことができます
  • その後、階下に向かって展示を鑑賞していく独特の下降型動線を採用しています

3. 外観デザインと環境配慮

建築の外観は、以下のような特徴的な要素で構成されています:

  • 北面と東面にガラスカーテンウォールを採用
  • 格子状に編まれた木突板のスクリーンによる外装

4. 構造設計の特徴

本建築では、展示空間の自由度を高めるため、以下のような構造的工夫が施されています:

  • スペースフレーム(立体骨組)の採用による柱の削減
  • これにより、より開放的で柔軟な展示空間を実現しています

5. 建築的意義と空間体験

アスペン美術館の設計には、以下のような重要な意図が込められています:

  • 周辺環境との調和を図りながら、建築自体もアート作品として機能すること
  • 来館者に独特な空間体験を提供すること
  • 展示空間の柔軟性を確保しながら、建築としての強い個性を表現すること

6. 技術的革新性

本建築では、以下のような技術的な革新が見られます:

  • 木突板スクリーンによる環境制御
  • スペースフレームによる大空間の実現
  • 下降型動線による新しい美術館体験の創出

7. 建築的影響と評価

アスペン美術館は、現代美術館建築において以下のような点で重要な意義を持っています:

  • 従来の美術館設計の概念を刷新
  • 環境配慮型設計の先駆的事例
  • 構造技術と意匠の統合的な解決

このように、アスペン美術館は、動線計画、構造設計、環境配慮、そして来館者体験という多角的な観点から、現代建築における革新的な解決策を提示しています。建築家・坂茂の卓越した設計思想と技術的な革新性が融合した、現代美術館建築の重要な事例として評価されています。

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