【1分でわかる】増沢洵邸 (一級建築士受験対策)

【実例】住宅・集合住宅

【一級建築士過去の問題】

問題

増沢洵邸(1952年)は、戦後の極限的小住宅の先駆けとなった事例であり、1階の鉄筋コンクリート造のコアの上の木造部分に、最小限必要な要素を収めた住宅である。

正解は ×

増沢邸[自邸](増沢洵、1952年)は、池辺陽の立体最小限住宅とともに、戦後の極限的小住宅の先駆けとなった事例である。3間×3間の9坪(約30㎡)の平面プランをもつ2階建ての計画であり、3坪の吹抜けに面した南面の全面開口からは、障子を通して柔らかな光を採り入れている。設問の「1階の鉄筋コンクリート造のコアの上の木造部分に、最小限必要な要素を収めた住宅」としては、吉村順三の軽井沢の家が代表的である。

【実物写真】

増沢洵の自邸
今回は、「最小限住宅」の代表作である、増沢洵の自邸「9坪ハウス」(下の写真)を紹介します。

【建物の特徴】

増沢邸

増沢邸の主な特徴は以下の通りです:

  • 極めてコンパクトな設計:3間×3間(約9坪、30㎡)の2階建て構造
  • 中心に3坪の吹き抜けを配置し、狭小空間に開放感と広がりをもたらす
  • 南面に全面開口を設け、豊富な自然光を取り込む
  • 障子を用いて柔らかな光のコントロールを実現
  • 限られた面積で最大限の生活の質を実現する革新的な空間利用
  • 1952年に設計され、戦後日本における極限的小住宅の先駆的事例として認知されている

これらの特徴により、増沢邸は狭小住宅のデザインに革命をもたらし、現代の持続可能な建築デザインの先駆けとなりました。

【まとめ】

増沢邸の革新的なコンセプトは、時代を超えて高い評価を受け続け、その影響力は現代においても衰えることがありません。最小限住居が持つ高品質の居住性を広く一般に普及させるという崇高な目的のもと、増沢邸のデザイン理念を現代的に解釈し直す試みが活発に行われています。現在第一線で活躍する建築家やデザイナーたち、例えば小泉誠、阿部仁史、藤本壮介、松井龍哉らが、増沢邸のコンセプトを深く理解し、現代のライフスタイルやニーズに合わせた革新的なリメイクを手掛けています。これらの新しいデザインは、『9坪ハウス』というシリーズ名で商品化され、コンパクトでありながら快適で洗練された住空間を求める現代の住宅購入者に向けて提供されています。この取り組みは、増沢洵の革新的なアイデアが時代を超えて普遍的な価値を持ち続けていることの明確な証左であり、日本の住宅デザインの未来に向けた無限の可能性を示唆しています。さらに、この『9坪ハウス』シリーズは、都市部における土地の有効利用や環境負荷の軽減といった現代的課題にも応える解決策として、建築界のみならず、社会全体からも注目を集めています。

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