【一級建築士過去問文】
土浦亀城邸(1935年)は、「白い箱」型の外観をもち、内部は居間の吹抜けを中心とし複数の床レベルによって構成されたモダニズムの木造住宅である。
正解は ○
土浦亀城邸(1935年)は、あたかも鉄筋コンクリート造のような「白い箱」型の外観をもち、内部は居間の吹抜けを中心として複数の床レベルがスキップフロアでほぼワンルームに構成されたモダニズムの木造住宅である。
【実物写真】
【土浦亀城邸の特徴】
- 日本の初期モダニズム建築を代表する木造住宅である
- 国際様式の影響を受けた「白い箱」型の外観を持つ
- スキップフロアを用いた革新的な内部空間構成が特徴的
- 限られた面積の中で空間の連続性と開放感を実現している
- 当時としては先進的な設備(天井パネルヒーティングやシステムキッチンなど)が導入されていた
- 国際的な建築思想と日本の伝統的空間概念を高次元で融合させた独創的な作品である
【知ってて面白い知識】
当初は東京・目黒に建てられた土浦亀城の自邸であったが、保存の危機を乗り越え、現在は東京・青山に移築されている。この移築は日本のモダニズム建築遺産の保存において重要な意義を持つ。
土浦亀城と妻・信子は、アメリカでフランク・ロイド・ライトのもとで学び、その経験を日本に持ち帰った。土浦亀城邸は、国際的な建築思想と日本の伝統的空間概念を融合させた先駆的作品として評価されている。
構造面では「乾式構法」を採用し、限られた面積内で空間の連続性と開放感を実現した。また、当時としては先進的な設備も導入されていた。
その歴史的・建築的価値が認められ、1995年に東京都有形文化財に指定され、1999年にはdocomomoの「日本におけるモダン・ムーブメントの建築20選」に選ばれた。
土浦亀城邸は、単なる西洋建築の模倣ではなく、国際的建築思想と日本の伝統を高次元で融合させた独創的作品であり、日本のモダニズム建築史上、極めて重要な位置を占めている。
【まとめ】
土浦亀城邸(1935年)は、日本の初期モダニズム建築を代表する木造住宅である。その主な特徴は以下の通り:
- 国際様式の影響を受けた「白い箱」型の外観
- スキップフロアを用いた革新的な内部空間構成
- 限られた面積内での空間の連続性と開放感の実現
- 先進的な設備(天井パネルヒーティング、システムキッチンなど)の導入
- 国際的建築思想と日本の伝統的空間概念の高次元な融合
コメント